アイルランド・Trinity College Dublin (トリニティ・カレッジ・ダブリン)MBA留学日記 (2015-2016)

Trinity College Dublin MBA生(Class of 2016)のBlog。MBAに限らずアイルランドの大学・大学院に正規留学する方に役立つと思われる情報を提供します。古くなっている情報もありますので、必ずご自身で最新情報を確認してください。

プレセッショナルコース(事前英語準備コース)

大半の日本人MBA生が現地で受講されるであろうプレセッショナルコース(事前英語準備コース)についてです。ノンネイティブ向けに英語の準備コースが開催されます。English for Academic Purposes(以下、EAP)という名前で呼ばれることもあります。プレセッショナルをなぜ「現地情報」で書くかというと、私や他の人の経験談から判断して「英語準備は渡航前に行うべきであり、現地ではあくまでその復習や生活立ち上げの準備、ネットワークづくりの一環として割り切る方がよい」と考えるからです。あくまでコースのための準備というよりも現地適応のための一環であると割り切った方がよいです。
ちなみに私はTCDではなく、Dublin City University(以下、DCU)の提供するEAPコースに参加しました。TCDについては他の人の経験から聞いたことを元に書きますが、ご容赦ください。

 

1.プレセッショナルで本来提供される内容(HPより)
2.実態のプレセッショナルで行われる内容
3.それでもプレセッショナルに参加した方がよいと考える理由
4.【蛇足】DCUを受講した際のメリット

 

1.プレセッショナルで本来提供される内容(HPより)
TCDでは、2015年度は”Summer English for Academic Purposes”という名前で提供されていたようです。HP上書かれている内容は以下の通りです
対象受講者:”IELTS 5.5 (with no individual band less than IELTS 5.0) or 550 TOEFL (196 CBT / 69 IBT) or above”の”students engaging in third or fourth level education, whose first language is not English”
ゴール:”focus on the development of spoken and written academic English”

具体的にどのようなことを実施し、できるようになるのか(例:2,500wordsくらいのエッセイが書けるようになる、正しい文献の引用の仕方を身につける等)は書かれていません。

 

ちなみにDCUのHPにはこのように書かれています。
対象受講者:”students, academics and lecturers who seek to improve their English language ability in the field of education”
ゴール:”acquisition of skills required to perform in an English-speaking academic environment across subject areas which are generally encountered in a university setting”
実施内容:
“Participating in tutorials and seminars, Answering examination questions, Listening to lectures and note-taking, Organised note-taking, Giving presentations, Developing reading skills for academic purposes, Research study reading, Presenting academic papers, Academic writing (essays, reports, reviews), Citation, referencing and avoiding plagiarism”

TCDより具体的には書かれていますが、本当にそれが授業の中で実施されたのかについては次に書きたいと思います。

 

2.実態のプレセッショナルで行われる内容とそれに関するコメント
TCDについては私は受講していませんが、過去のOB・OGや同級生の意見を総合すると以下のようになります。
・授業に直結する内容かというとそうでもない。また、英語力の底上げに繋がるかというとそうでもない。
・確かに授業でいい内容も話しているが、それらがまとまっている感じではない。
・役には立つ内容も含まれているが、費用対効果がよくない。
・こちらが期待している内容(Writingスキルの習得等)を要望しても、講師には講師の考えもあり受け入れられなかった。

 

DCUに関しては私の感想を交えて書きます。
・実施内容に関して表面的には行われたが、きちんとしたカリキュラムに沿って行われたかというと疑問。例えばPresentation、Writing、Note Taking等講師がその方法論をきちんとレクチャーして、受講者に対して練習をさせるといったような工夫はあまり見られなかった。
・また各スキルについても十分練習できる機会があったとは言いがたい。Presentationについては自分の意見や考えをまとめて発表するようなものではなかった。Writingの宿題が課されたが750words程度と少なすぎる。また提出したが、講師からのフィードバックがなかった。
・使用テキストの宿題として文法や単語が毎回課されたが、答え合わせに関する時間が長すぎる。解答を配布して疑問点だけ質問させる等効率的な運営方法があったと思う。
・上記について別の受講者とともに学校側に申し入れを行い、多少は改善された。ただし大幅な改善は見られなかった。
・DCU側を弁護すると、想定受講者よりもmatureな学生が集まりすぎたかとも考える(Ph.DやMaster)。何名かの受講者が授業に満足できずに、途中で去っていった。ただし講師の力量で何とか軌道修正はできたのではないかとも考える。
・今後エッセイを書く上で有意義なホームページ等を紹介してもらえたのはよかった。

 

3.それでもプレセッショナルに参加した方がよいと考える理由

「何だ、意味ないじゃないか」と言われそうですが、プレセッショナルには参加した方がよいです。理由は以下の通りです。

(1)生活立ち上げを並行して行うことができる
アイルランドではVISAは不要な代わり、外国人登録を行う必要があります。そのための準備(家探し、銀行口座開設)には時間を要し、少なくとも1ヶ月は必要です。プレセッショナルは大体1ヶ月程度ですので、その準備期間にぴったりです。プレセッショナルは遅くとも14時過ぎには終わりますので、生活立ち上げを並行して行うことは可能です。宿題が出るといっても本コースよりも断然余裕があるので、街の様子を理解するには十分余裕があります。

(2)ネットワークづくり
プレセッショナルの人数にもよりますが、知り合いを作ることができます。講師は大抵アイリッシュですので、現地の生活に必要な情報(治安や病院等)を聞いてみるとよいでしょう。親切に教えてくれると思います。また、大抵の日本人学生はプレセッショナルに参加しますので早めに顔合わせができます。他学部の外国人学生とも知り合いになることができるでしょう。

ちなみに私はDCUでしたが、ドイツで法学博士号取得をめざす台湾人と親しくなりました。彼女には体調が優れない時に随分助けてもらい、感謝しきれないです。また、DCUの日本人学生(学部)の方とも知り合いになりました。自分よりずっと若い学生さんが志を持って前向きに勉強している姿を見ると、こちらも勇気付けられます。

 

4.【蛇足】DCUを受講した際のメリット
2.で授業内容についてはかなり辛口のコメントを書きましたが、それでもメリットはありました。DCUはLanguage Servicesを学校の一組織として運営しているので、窓口の対応の良さ、各種オプションや課外アクティビティの充実度等TCDに勝る点も多いです。

(1)窓口の対応の良さ
問い合わせやクレーム等への対応が早いと感じました。私が申し込み前に問い合わせた際のレスポンスも早く、丁寧でした。また、私が別の受講者とともに授業内容に関する申し入れを行った際も、速やかに改善をしようとしてくれました。また、他の受講者の方(日本人学部生)から聞いた話ですが、DCU経由で手配したホームステイ先でトラブルがあった際も同様に対応してもらえたようです。

(2)各種オプションの充実度
私は利用しませんでしたが、宿泊先(ホームステイ、夏の場合は学生寮も可)の手配も申し込み時に一元窓口で対応してもらえます。また、DCUの語学留学生として即時に学生証を発行してもらえるので、その期間中は街で買い物をする際や観光する時に学割を受けたり、Student Leap Cardを入手したりすることも容易になります。

(3)課外アクティビティの充実度
夏に限定していますが、平日の夕方や土曜日に課外アクティビティもあるようです(一部有料)。私は参加していませんが、例えばジャイアンツ・コーズウェーツアーをDCUがアレンジし、一般のツアーよりも安く参加できるようです。また、Conversation Classが週1回1時間あり、会話を強化したい方は無料で参加できるようです。クラスメートの韓国人が通っていました。

(4)学校の設備
TCDの場合は年によってはとても古い校舎で実施することもあり、外よりも寒いことがあるようです。DCUは設立して30年程度の大学ですので設備は新しいです。また、TCDは観光スポットなので観光客がわんさかいますが、DCUはそのようなことはなく落ち着いています。学内に少し大きめのコンビニがあるので、休憩時間にちょっとしたものを買ったり等も可能です。DCUのスポーツセンターについても有料ですが格安で利用することができるようです。

 

長くはなりましたが、「英語力向上には期待できない」が、「生活立ち上げやネットワークづくり等総合的な局面から」プレセッショナルの受講を推奨します。アイルランドは生活立ち上げ(家探しと銀行口座開設等)に時間を要するため、本コース開始前の1ヶ月以上前に渡航する必要があります。これらすべてが順調に行く人は少なく、体調を崩す等現地でいろんなトラブルに遭遇したり、本当にやっていけるのか等自信をなくしたりすることもあります。そのような時に知り合いが少しでも多い方がよいですし、余裕を持って現地に溶け込む一つの手段としてプレセッショナル受講は有効であると考えます。ダブリンは語学学校がたくさんあるので、それらを受講するのもよいでしょう。